ディスクジョッキー

海岸が臨める商業ビルの一角にある、ガラス張りの小さなブースにはコウヤとマサカズの姿があった。
ここはラジオ局。

デビュー後、この二人を逃すメディアは無かった。マイクを前にする二人は、訥々と語りだす。

コウヤ
コウヤ

僕たちの音楽を60年代のウッドストックを彷彿させると言う人がいるみたいだね。個性を重視される音楽業界で失礼だとは解りながらも『コウヤの声を初めて聴いた時、ジミヘンドリックスそっくりだと思った』と言う人もいるんだけど、その返事においらが『嬉しい』と笑って答えると驚かれることが多いんだ。

マサカズ
マサカズ

うん、僕らの歌う世界の中に「平和」や「愛」などという核心をつく言葉は全くに等しく使われていないからね。けれど、君の声をジミの訴えかける声に似ていると思われることも、僕らの音楽が時としてウッドストックを彷彿させると言われるのも、僕らの音にはそれがスピリットとして流れているからではないかと思うんだ。

コウヤ
コウヤ

あまり音楽に対しては多くを語らないおいらだけど、それは『聴く人の解釈を信じてる』と言うしかないからなんだよね。

職場をリタイアして盆栽を趣味にするじいさんがいる。
喧騒から逃れるために山に篭る少年がいる。
ストレスを解消するためにタンゴを習うOLがいる。
自分の平和を守ろうとする人がいる。
その術を得ようと模索する人がたくさんいる。
結果、音楽に頼る人がいる。
その中でも音楽を聴くことを術とする人がいれば、作ることを術とする人もいる。

おいらは音を作ることで自身の心の均衡を図っているんじゃないかと思うんだ。僕はそれを「解放」と言い、マサカズは『音楽を辞めるなんてない』と言うんだ。

マサカズ
マサカズ

うん、だから、僕らは自分達の音楽も好んで聴くんだ。形のない音楽で何が伝えられるか、そんなことは誰にもわからない。大きなことは何もわからないかもしれない。けれど僕らの音に流れる「LOVE&PEACE」の精神は、僕らの経験や感情、意思に呼応して、1人1人を突き動かす原動力にはなっていると信じていたいんだ。

コウヤ
コウヤ

さぁ、この辺で次の曲に言ってみようか。
先週発売された僕らの2枚目のシングルのカップリング曲です。聞いてください。